予防接種について

感染症をワクチンで予防することの重要性を昨今のコロナウイルスの流行によって感じられた方もたくさんいらっしゃると思います。お子さんのうちから多くのワクチンを接種することで、これまでも多くの感染症の流行を抑えることができていると言えます。お子さんのうちにきちんと予防接種を受けることは、ワクチンで予防できる病気(VPD)の予防に大変重要です。

当院では、たくさんあるお子さんの予防接種をなるべくご負担のないように進められるように予防接種の患者さんがいつでも来院できるよう予防接種専用の診察室を設けました。
予防接種をきちんと接種してワクチンで予防できる病気(VPD)をしっかりと予防しましょう。

当院では診療時間内であればいつでも予防接種の受診可能です(WEBで予約をとってください)

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予防接種の種類

ヒブワクチン

  • インフルエンザ菌b型による感染症を予防します。インフルエンザ菌は乳幼児期に髄膜炎や喉頭蓋炎など重症感染症を起こす菌です。
  • 生後2か月から開始します。4〜8週間間隔で3回接種します。7ヶ月以上後、1歳をこえたら4回目を追加接種します。

小児肺炎球菌ワクチン

  • 肺炎球菌による感染症を予防します。肺炎球菌は乳幼児期に細菌性髄膜炎や敗血症を起こします。肺炎や中耳炎の原因にもなります。
  • 生後2か月から開始します。4〜8週間間隔で3回接種します。2ヶ月以上後、標準的には1歳から1歳3か月に4回目を追加接種します。

B型肝炎ワクチン

  • B型肝炎ウイルスによる肝炎や肝硬変、肝がんのリスクを予防します。
  • 生後2か月と3カ月、7-8か月に計3回接種します。

4種混合ワクチン(DPT-IPV)

  • ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを予防します。ジフテリアとポリオは現在、国内での感染はほとんどありませんが、以前は重い神経症状や気道症状の原因の一つでした。
    百日咳は乳児に重症な咳や呼吸困難を起こすことがあります。破傷風は傷口から菌が入り、菌が生成する毒素により痙攣や麻痺などの神経障害を来すことがあります。
  • 生後2か月から開始し、4〜8週間隔で3回接種します。3回目から6か月以上(標準は1年)あけ、4回目を追加接種します。

5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)

  • ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、インフルエンザ菌b型を予防します。
    これまで4種混合ワクチンとヒブワクチンは別々のワクチンでしたが、1剤での接種、予防が可能です。令和6年4月から、定期接種になりましたので、生後2か月の初回接種がまだ済んでいない方は、これまでの4種混合ワクチンとヒブワクチンの接種に代わり、5種混合での接種を行います。
  • 生後2か月から開始し、3~8週間隔(標準4週間)で3回接種します。3回の接種後、6か月以上あけて4回目を追加接種します。

2種混合ワクチン(DT)

  • ジフテリアと破傷風を予防するワクチンです。
  • 11歳~13歳未満に1回接種します。

水痘ワクチン

  • 水痘(水ぼうそう)を予防します。水痘はヘルペスウイルスの水痘・帯状ウイルスが原因で、全身に水疱疹が多発し、重篤な状態になることもあります。
  • 1歳〜3歳で2回接種します。2回目接種は標準的には6ヶ月から1年の間隔をあけます。

BCGワクチン

  • 結核を予防するワクチンです。結核は成人では肺結核が有名ですが、乳児では髄膜炎や粟粒結核という致死的な疾患を引き起こすこともあります。ヒトに対する毒性が失われて抗原性だけが残った結核菌(BCG)を接種することにより、乳幼児結核を予防することが出来ます。
  • 1歳までに1回接種します。標準的には、生後5か月~8か月未満に接種します。

麻疹・風疹混合ワクチン

  • 麻疹(はしか)と風疹を予防するワクチンです。麻疹は発熱、発疹の症状がみられ、肺炎や脳炎などの合併症を来すことがあります。風疹も発熱、発疹の症状がみられる疾患で、妊婦がかかると、赤ちゃんに重篤な障害が生じる可能性があります。
  • 1歳〜2歳に初回接種をします。5歳以降の小学校の入学前の1年間に追加接種をします。

日本脳炎ワクチン

  • 日本脳炎を予防するワクチンです。蚊が媒介する日本脳炎ウイルスの感染で、急性脳炎を来します。
  • 標準的には、まず3歳~4歳の間に合計2回、その2回目接種から1年あけて、もう1回接種します。さらに、9歳~12歳に追加接種をします。
  • 当院では1期の接種は生後6か月以降より接種可能です。

ロタワクチン

  • ロタウイルスによる胃腸炎を予防するためのワクチンです。当院ではロタリックスを使用しています。ロタウイルスは乳児の胃腸炎を起こす代表的なウイルスです。嘔吐や下痢により脱水を引き起こすことがあります。胃腸炎関連痙攣や脳炎を合併することもあります。2種類のワクチンがありますが、臨床効果は概ね同じです(投与スケジュールがすこし異なります)。
  • 生後2か月から3-4か月までのあいだ2回、経口で接種します。
  • 接種前後30分は授乳が出来ませんので、ご注意ください。
  • 他院でロタテックを接種している方で、2回目、3回目を当院でご希望の方はお問い合せください。(ロタワクチンは同じ種類のものを接種する必要があります)

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン

  • 子宮頸部に出来るがんを予防するワクチンです。
  • 当院では小学6年からの接種としています。接種回数は3回です。
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて

    子宮頸部に出来るがんなど、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を起因とする疾患を予防するワクチンです。
    定期接種の対象は小学校6年生~高校1年生の女子です。
    杉並区では中学1年生の前年度末に予診票が送付されます。
    接種は小学6年生から可能ですので予診票が送付される前に接種希望の方は区役所もしくは保健センターで予診票交付を受けてください。

    ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の積極的な勧奨が2021年より再開されました。
    対象になるお子さんの接種、またキャッチアップ対象で接種がお済みでない方は接種を進めてください。
    また令和5年4月1日よりシルガード9(9価ワクチン)も定期接種の対象となりました。
    接種が初めての方は原則として9価ワクチンの接種とします。
    1回目・2回目の接種がお済みの方は、原則として1回目・2回目と同じワクチン(当院ではガーダシル)を使用して接種しますが、9価ワクチンに変更して接種をご希望の方はご相談ください。
    ガーダシル(4価ワクチン)、シルガード9(9価ワクチン)の接種スケジュールは同じです。
    接種1回目の接種を受けた2ヵ月後に2回目を受け、3回目は1回目の接種を受けてから半年後に接種となります。

    定期接種やキャッチアップ接種の対象でなく、自費での接種希望の方については、ご相談ください。
    また、ガーダシル(4価ワクチン)は男性への任意接種が承認されております。男性においてもHPV感染を起因とする疾患の予防効果や女性への感染を予防する効果があるため、海外では定期接種となっている地域も多くあります。対象は9歳以上です。任意接種をご希望の方はご相談ください。

任意接種

おたふくかぜワクチン

  • おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を予防するワクチンです。おたふくかぜはムンプスウイルスの感染で、発熱や耳下腺(耳の下にある唾液腺)の腫れが特徴です。髄膜炎、難聴、精巣炎などの重篤な合併症を来すこともあります。
  • 1歳から接種できます。1歳頃と5-6歳頃の2回接種が推奨されています。

    ※お住まいの地域によって助成があります。詳しくは下記をご確認ください。

    その他、接種可能なワクチンもありますので、お気軽にお問い合わせください。

3種混合ワクチン(DPT)

就学前に百日咳抗体価が低下していることを受け、就学前(5歳以上~7歳未満)に3種混合ワクチン(DPT)の追加接種をすることが推奨されています。
また、11-12歳の2種混合(DT)ワクチンに代え3種混合ワクチン(DPT)を接種することも推奨されております。
ご希望があればご相談ください。

ポリオワクチン

ポリオは4種混合ワクチンとして3か月~2歳の間に定期接種がありますが、ポリオの抗体価定価が減衰する前の就学前(5歳以上~7歳未満)を対象に、ポリオワクチンを追加で接種することが推奨されております。
ご希望があればご相談ください。